町屋 |
新しいWEBの打ち合わせで町屋に行く。
自分の住んでいるところから荒川区の町屋まで、電車乗り継いで約1時間。
東京って広いのね〜と改めて実感。
実は町屋はその昔、私が一瞬だけバイトをしていた所でもある。
ソニーのオーディションに受かった直後で、
まだ事務所が決まってないあたりだったと思う。
当時は葛飾区の亀有(こち亀の舞台)に住んでいたので、3つ先の駅だった。
「仕事辞めちゃったし、ちょっと働くかぁ」ってな具合で、
町屋にある、とあるスーパーのレジ打ちをやった。
そこのスーパーにはイランから来てる人がいっぱいいて、
おまけにみんな頭が良く、日本語ベラ喋りだった。
(10年以上前、上野あたりはイラン人が溢れていた)
休憩時間なんかは、一緒に笑っていいともを見ていた。
彼らは大笑いして「タモリってバカだね」と言っていた。
どうしてか私は笑えなかったのを覚えている。
数ヶ月前まで接客業やってたし、高校生の時に2〜3カ所バイトをやってた。
スーパーも経験があるので、レジは大丈夫だと思っていた。
しかし、その町屋のスーパーのレジシステムは
今まで経験のあるどれよりも古く、ほぼ手打ち。
それぞれの商品に番号があって、まずそれを暗記しなければ仕事にならなかった。
私は戸惑った。
そして当然、私のレジ前には長い行列ができ、お客さんが明らかに怒っている。
すると、イランの従業員の中でもリーダー格の男の子が、
急いで私の所に走って来て、レジを手伝ってくれた。
「いい人じゃん!」私が感激したのもつかの間、
彼はいきなり私の頭をつかんで、無理矢理頭を下げさせた。
そして、お客さんにこう言ったのである。
「すいません、この子まだシロウトなもんで」
いや、やってることは正しい。言ってることも間違っちゃいないさ!
しかし・・・・。
私の中で、釈然としない何かが沸き上がった。
日本に来ているイランの人は一様に頭が良く、器用だ。
私なんかよりも、職業に対する適応能力に長けている。
ひょとしたら自国の家族を支えていたりするワケで、
ちょっとの小遣い稼ぎ程度の自分とは仕事に対する意気込みが違う。
長い行列が一段落すると、彼は
「困るんだよね、こういうの。もっとしっかりしてよ」
と吐き捨てるように言って、そのまま店の入り口の野菜売り場に戻り、
「いらっしゃい!奥さん、今日はスイカが特売だよ!」と手を叩いた。
私はほどなく事務所が決まったので、1週間位でそのスーパーを辞めた。
彼らは今、どうしているだろう。
正社員になって、まだスイカを売っているだろうか。
とっくにイランに帰っただろうか。
それとも稼いだお金を元手にして、何か新しい仕事を始めたのだろうか。
せっかく町屋に来たのだから見て行こうかと思ったが、
極度の方向音痴である私には、そのスーパーが見つけられなかった。
「12年経っても全然成長してないなぁ」と思いながら、私は町屋を後にした。
自分がバイトしてたスーパーを見つけられないなんて、す・凄すぎる!


